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「元気なうちに」はいつまで?——健康寿命という、もうひとつのものさし
このサイトのシミュレーターは「会える残り時間」を平均余命から計算しています。それに加えてもうひとつ、知っておくと予定の立て方が変わる統計があります。健康寿命です。不安になるためではなく、「何を先にやるか」の順番を考えるための数字として紹介します。
健康寿命とは「日常生活に制限のない期間」
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく過ごせる期間のことです。 厚生労働省が公表している令和4(2022)年の値では、男性72.57年・女性75.45年。 同じ年の簡易生命表による平均寿命は男性81.05年・女性87.09年なので、 その差は男性でおよそ8.5年、女性でおよそ11.6年あります。
誤解しないでほしいのは、この差の期間が「寝たきりの期間」という意味ではないことです。 通院が増える、遠出がおっくうになる、階段や長時間の移動がつらくなる—— そうした「なんらかの制限」を含んだ統計上の区分であって、 多くの人はその期間も自宅で暮らし、家族と話し、笑っています。
「会える時間」と「一緒に出かけられる時間」は別のものさし
シミュレーターが示す「会える残り時間」は、会いに行けばいつでも増やせます。 これは健康状態にかかわらず、最後まで増やせる時間です。 一方で「一緒に温泉に行く」「連れ立って旅行する」「遠くの親戚を一緒に訪ねる」 といった体力を使う予定には、実質的な締め切りが先に来ます。 健康寿命の平均値は男性72.57年・女性75.45年。親が70歳前後なら、 平均像としては「元気に出かけられる期間」の締め切りのほうが ずっと手前にある、ということです。
つまり、親との時間はひとつの残高ではなく、 「出かける系」と「一緒にいる系」の2つの口座に分かれている、と考えると整理しやすくなります。
だから、やることの順番を決められる
この2つのものさしを知っていると、「いつかやりたいこと」に自然と優先順位がつきます。
- 体力を使う予定は前倒しに。温泉旅行、街歩き、少し遠くへの外出。「還暦・古希の節目に」と先送りせず、 次の連休の候補に入れる
- モノや食の贈りものは、いつでも効く。お取り寄せや季節の果物は、健康状態にかかわらず喜ばれ、 電話をかけるきっかけにもなる
- 会話と連絡は、最後まで増やせる。電話・写真の共有・ビデオ通話は、どのステージでも「一緒に過ごす時間」を積み増せる
制限があっても、時間の価値は変わらない
健康寿命を過ぎた期間の時間が、価値の低い時間なのではありません。 近所を一緒にゆっくり歩く、同じ食卓を囲む、昔の写真を見ながら話す—— 体力がいらない過ごし方は、むしろ会話の密度が上がるという声も多くあります。 「出かけられるうちに出かけておく」のは、その後の時間を悲観するためではなく、 どのステージの時間もそのステージなりに楽しみ尽くすための準備です。
まずは、親の年齢でシミュレーターを動かしてみてください。 そして「出かける系」のやりたいことがあるなら、それをカレンダーの一番手前に置く。 順番を入れ替えるだけで、同じ残り時間の中身は大きく変わります。
出典
- 厚生労働省「健康寿命の令和4年値について」(男性72.57年・女性75.45年)
- 厚生労働省「令和4(2022)年簡易生命表」(平均寿命:男性81.05年・女性87.09年)